心臓発作の症状で知られているのは強い胸の痛みですが、こうした症状を伴わないある種の心臓発作が問題になっています。特に55歳以下の女性がこうした心臓発作で死亡するリスクが男性よりも高いことが、最新の調査でわかりました。
医学誌「サーキュレーション・ジャーナル」によれば、体の不調を訴えて医師にかかった女性の症状を心臓発作と診断できなかったケースが過半数に上るとのこと。その理由は「女性が訴える症状が男性のそれと異なる」ということがわかったのです。
急性心筋梗塞と診断された約2000人の女性と、1000人の男性に対する調査を行ったところ、87%の女性、90%の男性が胸の痛みを訴えました。
ところが、ほかの症状、顎や首、腕などの不快感や痛みを訴えたのは、女性62%、男性55%と女性の方が高く、女性はこうした症状をストレスや不安神経症などによるものと考えやすいといいます。過半数の女性がこうした症状を心臓の問題とは考えないために、診断が遅れて死亡リスクが高まっていることが明らかになったのです。
関係者はこうしたリスクを訴えるとともに、メディアでも若くして心臓発作を経験した女性たちを取材しています。
たとえば、40歳の女性は深夜、胸の痛みを感じて目が覚めました。最初はコーヒーをやめたストレスが原因だと思っていたそうですが、しばらくすると胸の痛みが強まり、顎にも強い痛みを感じました。インターネットで症状を調べ、心臓発作を疑って救急車を呼んだことで一命を取り留めました。
出産から数週間を経た別の女性は、突然、強い胸焼け、吐き気、腕のしびれを感じて入院。また別の女性は自転車に長時間乗った後に息切れや胸焼けを感じ、気を失って病院に運ばれました。
結局、2人とも冠動脈疾患とわかったことなどが伝えられました。こうした症状が出た場合は心臓発作を疑うようにと呼びかけられています。
ニューヨークからお届けします。