体内に送り込まれた小さなロボットが病気と闘う――。
まるでアニメ映画のような世界が間もなく医療の現実になるかもしれません。
「DNAナノボット」と呼ばれる自動的に作動する微小なロボットで、日本の折り紙のように畳まれたDNAシートを、微小ロボットとして薬剤投与に利用しようというものです。
雑誌「ネイチャー・バイオテクノロジー」に掲載された論文では、このDNAナノボットが体内にあるがん細胞をピンポイントで攻撃して殺すことができるかもしれないと発表され、大きな話題になりました。
さらに、実験ではヒトの乳がんの細胞を持つマウスに静脈注射でDNAナノボットを注入。DNAナノボットがターゲットとなるがん細胞を探し出してがん細胞に血流を凝固させる薬を投与し、その薬が腫瘍に血栓を作って細胞を壊死(えし)、あるいは腫瘍の成長を妨げることができると報告されています。
ニューヨークからお届けします。