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がん細胞と体内で闘うロボ 「DNAナノボット」への期待度

(C)PIXTA

 体内に送り込まれた小さなロボットが病気と闘う――。

 まるでアニメ映画のような世界が間もなく医療の現実になるかもしれません。

「DNAナノボット」と呼ばれる自動的に作動する微小なロボットで、日本の折り紙のように畳まれたDNAシートを、微小ロボットとして薬剤投与に利用しようというものです。

 雑誌「ネイチャー・バイオテクノロジー」に掲載された論文では、このDNAナノボットが体内にあるがん細胞をピンポイントで攻撃して殺すことができるかもしれないと発表され、大きな話題になりました。

 さらに、実験ではヒトの乳がんの細胞を持つマウスに静脈注射でDNAナノボットを注入。DNAナノボットがターゲットとなるがん細胞を探し出してがん細胞に血流を凝固させる薬を投与し、その薬が腫瘍に血栓を作って細胞を壊死(えし)、あるいは腫瘍の成長を妨げることができると報告されています。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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