眠りたいのに眠れない、睡眠中に目が覚めるといろいろ考えてしまって眠りに戻るのが難しい……。あなたにも覚えがあるのではないでしょうか。
アメリカ人の30%に慢性的な不眠の症状が見られるという数字があるほどで、現代人にとって十分な睡眠を取るのは難しくなっているようです。
そんな中で、ぐっすり眠りたかったら「誰かを、そして自分を許すことが有効」という調査結果が、心理学雑誌「サイコロジー&ヘルス」に掲載され話題になっています。
調査を行ったのは、アイオワ州にあるルーサー・カレッジのローレン・トゥーサン教授です。約1400人を対象に行った調査では、まず彼らにこんな質問をしました。
「人を傷つけるような過ちを犯した自分を、また同じように自分を傷つけた他人を、あなたはどのくらい許せますか?」
そして同時に、彼らの過去30日間の睡眠の状態がどうだったか、さらに現在の健康状態や幸福度を尋ねました。
その結果、自分や他人を許せると答えた人は、そうでないと答えた人より長く眠っているだけでなく、睡眠の質も健康状態も良く、幸福度も高いことが分かったといいます。特に、他人を許せると答えた人の睡眠の質が高いことも分かりました。
トゥーサン教授は「自分や他人を許せるということは、怒りや後悔といった感情を弱めるだけでなく、昼間起こった嫌なことを緩衝材のように受け止めて、リラックスした気持ちになり、安眠に導かれるからではないか」とコメントしています。
ただしこの調査は小規模なもので、「許し」が直接安眠に結びつくと証明したものではありません。しかしトゥーサン教授は過去にも「許す」ことと健康との因果関係などの調査を行っていて、ポジティブな結果を得ているといいます。
トゥーサン教授は睡眠も含め健康のためにはもっと許しが大切とし、許し方のテクニックの研究も行っています。
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