ヒートショック対策3つ 湯船に入る際の声にも意外な効果が

「あ~」と言いながら入るのには理由があった
「あ~」と言いながら入るのには理由があった(C)PIXTA

 冬場のお風呂はお父さんにとって天敵。厚労省によると、入浴中の心肺停止は年間1万9000件(13年度)。12月から2月にかけ5割が集中しており、ヒートショックが大きな原因とみられる。トイレや玄関先でのヒートショックを加えれば、おそらく年間で軽く1万人以上の人が命を失っていることになる。

 ヒートショックとは急激な寒暖差に心臓がびっくりし、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすこと。意外や北海道民は全国で2番目に少なく、香川県や兵庫県など比較的温暖な地域で事故例が多い。

 では、日頃はどんな対策を講じるべきか。キッチンやバス給湯器で知られる「リンナイ」が池谷医院・池谷敏郎院長(循環器専門医)の監修でヒートショックになりやすい人、そうならないための対策を発表している。

「10の設問のうち、『暖房はリビングのみ』『上着やストール等を羽織らずにトイレに行くことが多い』『運動習慣がない』という人が高い率でいました。いずれもヒートショック予備群になる生活習慣になります」(リンナイ広報担当者)

 一方、「部屋の乾燥」も危険なひとつ。暖房で部屋が乾燥すると、知らず知らずのうちに脱水症状に。その状態で脱衣所やトイレに行けば、フラッと立ちくらみしてしまうのだ。脱水によって低血圧の状態になり、血液もドロドロになっている。その意味で、部屋を乾燥させない床暖房は理にかなった暖房機なのだという。

 さらに、ヒートショックにならない3つの対策がある。

「池谷院長はYouTubeで『オネェ体操』という動画をアップしています。体をもじもじさせるように小刻みに動かし、乾布摩擦のように血行を促します。2つ目は『ほっトマト甘酒』。甘酒1にトマトジュース2の割合で注ぎ、温かくして飲む。トマトのGABAが高めの血圧を安定させるのです」(前出の担当者)

 そして3つ目の対策が思わず笑ってしまう。

「昔の親父のように湯船に入る際、または上がる際に『あ~』とか『う~』とか大声を出すことが大事のようです。声を出すことは血圧上昇を緩和する作用があるそうです」(同前)

 あり得ないくらい熱いお湯の銭湯で、おっさんたちが「あ~」とうめくのは、ちゃんと理由があったのだ。

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