「死ぬまで元気」を目指す

定年後の便秘はよく動いてよく食べることで改善できる

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「恥ずかしながら、最近便秘がひどいんです」

 こう話すのは、61歳の東京都在住の男性。昨年まで現役バリバリで働いていた。仕事、仕事の約40年だったので、定年退職後は「妻孝行」でもしてやるかと密かにもくろんでいたが、残念ながら妻からは「あなたは勝手にやってください。私は忙しいんです」とバッサリ。

 趣味仲間と旅行や食べ歩きに忙しく出歩いている妻を横目に、ひとり家でテレビを見たり、新聞を読んだり。「やることがなくてつまらない」と退屈する日々の中で浮上してきた体の悩みが、便秘なのだという。

「以前は毎日スルッと出ていた。近頃は3日に1回出ればいいところ。体に悪いんじゃないでしょうか?」

 国際医療福祉大学熱海病院検査部部長の〆谷直人氏によれば、便秘の定義は「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」。ただ、3日間便が出ないから「便秘なので治療した方がいい」となるのではなく、本人がお腹が張った感じがあったり、腹痛があったりなど苦しんでいるかどうかが、治療するかどうかの分かれ目になるようだ。

 そもそも、なぜ便秘になったか?

「便秘の原因には、肛門などの機能・構造異常のほか、活動量の低下や食物繊維などを食べる量の減少が挙げられます」と〆谷氏。

 となれば、定年退職して自宅にこもりっきりでは明らかに活動量低下。動かなければお腹もすかないので、食べる量も減るだろう。便秘に悩む61歳男性の場合、便秘の原因は、その2つにあると考えて間違いない。

「肛門などの機能構造異常でなければ、便秘解消には、適度に体を動かし、食物繊維中心の規則正しい食生活をするのが先決です。薬は、それでも改善しない場合に」(〆谷氏)

 実は、定年退職後に便秘に悩まされる男性は珍しくない。いずれも“ぬれ落ち葉”的なことが関係している。

 便秘改善のためにも、妻子に「お父さんがホントうっとうしい」と思われないためにも、アクティブに日々を過ごすことを心掛けたい。

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