時間栄養学と旬の食材

ミカンには糖尿病や高脂血症に効果的な栄養素がぎっしり

朝に食べるとシャキッと目が覚める
朝に食べるとシャキッと目が覚める

 冬といえば、コタツにミカン。ミカンを目にする機会も増えてきたのではないでしょうか? 大きさにもよりますが、ミカンM玉1個当たり可食部のカロリーはおよそ34キロカロリーと大変低エネルギー。水分が多いのも特徴です。

 そんなミカンに含まれる栄養素でイメージしやすいのがビタミンCです。サイズにもよりますが、M玉のミカンを2個食べれば1日に必要とされる量の50ミリグラムが摂取できると報告され、「ビタミンCの宝庫」なんて呼び名もあるほどです。また、酸味のもとでありエネルギーをつくってくれる時に役立つクエン酸はミカン1個に1日の必要量が含まれています。

 最近、注目されているのが、温州ミカンに多く含まれ、オレンジの約10倍といわれているβクリプトキサンチンです。2型糖尿病などの生活習慣病、また骨粗しょう症や高脂血症などに対する効果が研究で明らかになっています。M玉ミカンを3個程度食べることで、研究をした際に効果のあった3ミリグラムに届くとされています。

「じょうのう」と呼ばれる果肉が包まれている薄い袋は食物繊維の一種であるペクチンが豊富で腸の働きを活性化してくれますし、「アルベド」という白いスジはヘスペリジンというポリフェノールの一種が多く含まれていて、冷え性改善やストレス緩和、中性脂肪低下などの機能性がうたわれています。

 時間栄養学ではペクチンやヘスペリジンは、夜に食べて体の機能を整え、ビタミンCやクエン酸は朝に食べることでシャキッと目覚めることができる栄養素とされています。ご自身の目的に合わせてとる時間を変えてみるのがいいですね。

 ミカンを食べ過ぎるとビタミンCの作用によりお腹が緩くなったり、手や足が黄色くなってしまう柑皮(かんぴ)症という症状が出ます。

 カロテンなどのミカンの色素が皮膚に沈着して起こるもので、過剰摂取をやめたら治るもの。1日何個までという厳密な制限はないですが、大体2~3個を目安に召し上がってみるのがいいでしょう。

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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