年齢を重ねるとともに気になるのが手足のしびれ。しびれとは自覚的な感覚障害を指し、ビリビリ、じんじんとした感覚、こわばる、感覚が鈍くなるなど、さまざまな現れ方があります。
シニアの場合、手足のしびれは、神経や血管の老化によって、血流が十分に行き渡らないことが原因のひとつとして挙げられます。また、加齢によって筋肉がこわばることや、骨・関節の変形、姿勢のゆがみによっても症状が起きやすくなります。
ほかにも、頚椎ヘルニア、腰椎ヘルニア、手根管症候群、腰部脊柱管狭窄症などの疾患によっても、しびれが引き起こされます。
不快な症状で動くのがおっくうになると、体力低下につながってしまいます。食養生で改善を目指しましょう。
中医学において、しびれは「血」の不足が原因と考えます。
血は西洋医学の血液としての要素だけではなく、「栄養を豊富に含んだ液体」と考えます。全身に流れて体のあらゆる場所に栄養を与え、五臓六腑や筋肉、骨を養い、生理機能を正常に保つ重要な働きをしているのです。
血が不足すると手先や足先、目や体表など体の末端にまで栄養が行き届かなくなります。そのため、手足のしびれが引き起こされるのです。また、顔色が悪い、めまい、立ちくらみ、皮膚や髪の色つやが悪い、視力低下といった症状も見られがちです。
改善のためには、血を補うことが重要です。あわせて老化をつかさどり、骨の強化によい臓器「腎」の働きを高める食材も取り入れるとよいでしょう。
黒砂糖は血を補う効果に優れた食材です。さらに、腎を強化するパワーも高く、老化全般のトラブル改善に役立ちます。そのほか胃の調子を整える働きもあり、胃痛、消化不良、吐き気にもよい食材です。
そして黒砂糖はこれからの季節、とくに取り入れたい食材といえます。体を温める効果が高いのです。じつは白砂糖はとても体を冷やします。代謝を下げて血流を滞らせるので、なるべく控えめにしたほうがベター。日常から冷えが気になる人は、黒砂糖を利用するように心がけましょう。
黒砂糖は飲み物の甘み付けやお茶請けだけではなく、調理に使うのもおすすめ。煮物に使うと、グンとコクが出ておいしく仕上がります。トマト煮など洋風の料理でもまろやかな味わいになるので、いろいろなレシピに加えてみましょう。
黒砂糖の手足のしびれを改善する効果を高めるためには、同じく血を補い、腎の働きを高めるレーズン、クコの実を組み合わせるとよいでしょう。
■黒砂糖高齢薬膳レシピ
黒糖フルーツ紅茶
血を補い腎の働きを高める黒砂糖、レーズン、クコの実のトリプルタッグで症状の改善を目指すドリンク。体を温める紅茶との相乗効果で、体がポカポカに。コクのある甘酸っぱい風味でホッとなごむ味わいです。
【材料】2人分
●紅茶 2カップ
●レーズン 大さじ2
●クコの実 大さじ2
●黒砂糖 適量
【作り方】器に温かい紅茶を入れ、レーズン、クコの実も加えて黒砂糖で甘みをつける。
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