健康長寿に役立つ高齢薬膳

【ホウレンソウ】「血」を補う造血パワー野菜 貧血に威力発揮

ホウレンソウとツナの中華あえ
ホウレンソウとツナの中華あえ(提供写真)

 最近、疲れやすい。ふらついたり、息切れもする……。これらは貧血からくる症状かもしれません。貧血とは、血液中の赤血球の数やヘモグロビンの濃度が低くなった状態をいいます。年を重ねるほど、赤血球を作る働きは低下するため、シニアは貧血になりやすいのです。

 シニアが貧血になる理由はいくつかの要素があります。栄養面においては加齢とともに摂取する食事の量が減るうえに、栄養素の吸収力が低下します。赤血球を作るために十分な栄養素を体内に取り込めないために、貧血が引き起こされます。また感染症、関節リウマチ、悪性腫瘍といった慢性の炎症を生じる病気も、炎症物質が鉄分の吸収を妨げるために、貧血の原因になります。

 貧血による運動機能の低下は、体力の衰えを加速させて要介護や寝たきりのリスクを高めます。食養生で改善を図りましょう。

 中医学において、貧血の場合は「血」が不足した「血虚」の状態としています。中医学では、血は全身に流れて体のすみずみにまで栄養を与える液体と考えます。血が不足すると、全身に栄養が行き渡らずにめまい、立ちくらみや手足のしびれ、こむら返りといったトラブルを引き起こします。さらに、動悸、息切れ、不整脈といった症状も見られがち。疲れ目、視力の低下や、不眠などの不調も現れやすくなります。

 さらに、血は脳を滋養するために重要な成分で、物忘れがひどくなったり認知症の原因になりかねません。しっかりと“造血食材”を取り入れることが大切です。

 おすすめは、ホウレンソウ。栄養学においても鉄分豊富で貧血によいとされますが、薬膳においても血を補う優れた働きがある「造血パワー」絶大な野菜。貧血に威力を発揮するとされています。また、腸に潤いを与えて便秘の改善にも効果的。高血圧による頭痛や目の充血改善にも役立ちます。

 ホウレンソウは、最近はコンビニでも冷凍品が販売されているので便利。おひたしや、炒め物などに使ってみましょう。サラダホウレンソウも手軽に使えるのでおすすめです。

 ホウレンソウの貧血改善効果を高めるには、同じく血を増やす働きのあるカツオ、黒ゴマ、ピーナツ、クコの実などと組み合わせると良いでしょう。

■ホウレンソウ高齢薬膳レシピ

ホウレンソウとツナの中華あえ

 血を増やすホウレンソウ、カツオ、黒ゴマ、クコの実を組み合わせた中華風あえもの。隠し味のオイスターソースのコクでパンチのある味わいと、ピーナツの食感もいいアクセントになったおつまみにもぴったりの一品です。

【材料】2人分
●冷凍ホウレンソウ 160グラム
●ツナ缶(小) 1缶
●ピーナツ 大さじ1
●黒すりゴマ 大さじ2
●クコの実 適量
●A(しょうゆ・酢・ゴマ油 各大さじ1、おろしニンニク少々)

【作り方】
 冷凍ホウレンソウを耐熱皿に入れ、そのまま約1分加熱して水気をしぼり、ボウルに入れる。缶汁を切ったツナも加え、混ぜ合わせたAであえる。器に盛り、黒すりゴマをふり、刻んだピーナツ、クコの実をのせる。

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池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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