目が充血してかゆい。目やにがとまらないし、ゴロゴロしてつらい……。
結膜に炎症を生じる結膜炎は、細菌の感染やアレルギー、ドライアイなどが原因になって引き起こされます。主に目の充血、かゆみ、異物感、光がまぶしい、まぶたの裏にブツブツができて違和感がある、といった症状が現れます。
シニアは免疫力が低下しているため、細菌に感染しやすく、さらに涙液の分泌も減っているため、結膜炎になりやすい傾向があります。命に関わるわけではありませんが、目の不快感は生活の質を大きく下げてしまうもの。早めに改善を図りましょう。
中医学において、目は「肝」と呼ばれる臓器との関わりが深く、その機能が低下すると疲れ目や視力低下など目のトラブルにつながるとされています。結膜炎の症状も肝の弱りから引き起こされやすくなるのです。
とくに春は、前回も説明しましたが、肝がバランスを崩しやすいため、目にトラブルが起きやすい季節。改善のためには肝の働きをサポートする食材を取り入れることが大切です。
おすすめは春菊。肝に作用し、目のトラブル全般に威力を発揮する野菜です。とくに、肝にこもった熱が原因とされる目の炎症や充血には効果大。肝の熱を鎮めて、目のクールダウンに役立ちます。
また、春菊はストレス解消にも効果的です。気の流れをスムーズにして、イライラを解消し、精神を安定させてくれます。安眠効果も高く、眠れない、寝ても夢ばかり見るという人にもぜひ取り入れてもらいたい野菜です。
また、高血圧にも優れた効能があります。春は中医学において、ストレスがかかりやすく、血圧も上がりやすい季節なので、春菊はまさに「春の体調維持」に欠かせないのです。
そのほか胃を丈夫にして胃痛、吐き気を解消し、食欲不振、食後のお腹の張りの改善にも役立ちます。利尿作用もあるので、むくみがあるときにも取り入れるとよいでしょう。
春菊は、すき焼きというイメージが強いかもしれませんが、おひたし、スープ、味噌汁などに積極的に使ってみましょう。葉の部分は生のままサラダにしてもおいしくいただけます。
春菊の結膜炎改善効果を高めるには、同じく肝の働きをサポートするカツオ、マグロ、アサリ、ホタテ、黒ごまなどと組み合わせるのがおすすめです。
■春菊高齢薬膳レシピ
春菊とカツオのナムル風
目のトラブル改善に役立つ春菊と、肝の働きを助けるカツオ、黒ごまを組み合わせたナムル風のレシピ。カツオの力強いうまみと、隠し味のみそ、黒ごまの風味で、春菊が苦手という人もおいしくいただけます。
【材料】2人分
●春菊 2分の1把
●カツオ 2分の1さく
●A(酢・ごま油・黒すりごま=各大さじ1、みりん・しょうゆ・みそ=各小さじ1、塩・にんにくのすりおろし=少々)
【作り方】
春菊は、さっと茹でて流水にさらし、水気をしぼり4センチ程度の長さに切って、ボウルに入れる。食べやすく切ったカツオ、Aも加えて全体をあえる。
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