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【青ピーマン】豊富なビタミンCで免疫力アップと美肌効果

免疫力の向上、美肌効果も
免疫力の向上、美肌効果も

 ピーマンの原産地は中南米で、特にメキシコがその起源とされています。中南米では、ピーマンは古代マヤ文明やアステカ文明で栽培され、食材として使われていました。15世紀にクリストファー・コロンブスによってヨーロッパにもたらされ、その後、世界各地に広まったといわれています。

 そんなピーマンの栄養価は非常に高く、ビタミンCの含有量がダントツに多いのが特徴です。その量はトマトの4倍、レモン果汁の約1.5倍ともいわれていて、1.5個分のピーマンを食べると成人が1日に必要なビタミンCの量を十分にとれるほど! しかも、ピーマンに含まれるビタミンCは加熱による影響を受けにくい特徴もあるのです。

 ピーマンには抗酸化作用のあるビタミンA・C・E(ビタミンエース)やビタミンP、カリウムなども含まれています。β-カロテンはビタミンAに変換され、免疫力の向上や美肌効果をもたらす作用が、ビタミンCもまたコラーゲン合成を促進し、免疫力の向上や美肌づくりに。ビタミンEは強力な抗酸化作用があり、動脈硬化の予防や神経機能の維持に役立ちますし、ビタミンPはビタミンCの効果を保護し、抗酸化作用や血管を強化する役割を持ちます。

 カリウムは体内の浸透圧調節やペーハーバランスの維持に重要なミネラルです。青ピーマンに含まれるカリウムは、キュウリと同程度で、体内のナトリウム排出を促進し、血圧を下げる効果もあります。

 一般的な緑色のピーマンは、じつは未熟な状態で収穫したものです。完熟すると赤くなり甘みも増すのですが、青ピーマンに比べてリコペンという抗酸化物質を豊富に含むようになります。朝昼晩どの時間帯がリコペンの吸収率が良いかカゴメが試験研究した結果では、朝がいちばんリコペンの吸収がいいことが明らかになっています。また、ピーマンには香り成分のピラジンやポリフェノールのクエルシトリン、ビタミンPとも呼ばれるヘスペリジン、抗酸化作用のあるクロロフィルなど、さまざまな有用成分が含まれています。

 調理方法としては脂溶性の栄養素が多く含まれているため、油で炒める調理方法は◎。繊維に沿って切ることで、シャキシャキとした食感をプラスし、苦みを軽減することができますよ!

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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