時間栄養学と旬の食材

【シシトウ】がん予防に加え美肌効果あり 血管の健康も保ち免疫力アップ

βカロテンはピーマンより豊富

 シシトウ(獅子唐)は中国をはじめとする東アジアの原産の野菜で、実の先端が獅子の頭の形状をしていることから名づけられたといわれています。

 古くから薬草としても大切にされていて、中国2000年の歴史の中で料理や漢方など幅広く利用されてきました。日本へは16世紀にポルトガル船によって持ち込まれた、朝鮮から持ち帰られたなど諸説あるものの、それでも歴史の深い野菜のひとつです。

 正式名称は「シシトウガラシ」と呼びますが、海外では「shishito」と日本名で通じたり、「Wrinkled Old Man」(シワだらけのおじいちゃん)と別称で呼ぶことも! まさにシシトウの形状にぴったりの愛称で可愛らしいですよね。

 シシトウは品種改良によって辛みを抑えた甘み種として栽培されています。カプサイシンは含まれるものの、通常の唐辛子と比べると低いため、辛みの感じ方も軽いです。ただし、完全に辛みがないわけではなく、個体によってはわずかに辛みを感じることもあります。ただ、辛くなる原因はまだ究明されておらず、乾燥などのストレスから自衛するために辛くなるという報告はあります。家庭菜園などで育てる場合は、こまめな水やりなどでストレスを与えないことが必要かもしれません。

1 / 2 ページ

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

関連記事