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【アロエ】「シンフォニー・オーケストラ効果」で免疫維持

アロエは夜食べるとより効果的
アロエは夜食べるとより効果的

 アロエは「医者いらず」と言われ、食べたり塗ったりで用いられる民間療法に使われてきた植物です。その名前はアラビア語で「苦い」を意味し、原産地はアフリカやアラビア、地中海地方とされます。あのクレオパトラやアレキサンダー、ファラオもアロエを使用し、健康と美肌を保っていたそう。

 日本では3種類が有名です。「木立」を意味するところから名付けられたとされるキダチアロエは食用として利用されることが多く、アロインという成分が便秘に良いとされています。

 また、アロエベラはアメリカやメキシコで多く栽培され、海外ではアロエというとアロエベラのことを指すそうです。ヨーグルトやドリンク剤などの健康食品に多く利用されるほか、肌の潤いを保つ働きや肌を引き締める効果を期待されて、化粧品などにも使われています。

 南アフリカのケープ地方原産のケープアロエは明治13年に健胃や瀉下(下剤)の効能を発揮する医薬品として日本薬局方に規定されて以来、現在も収載されているものです。

 そんなアロエに含まれる200種類近い有効成分は、互いに連携して正常な免疫状態に整える作用があります。これを「シンフォニー・オーケストラ効果」と呼びます。ゼリー質に含まれる多糖体を主成分とし健胃作用を持つアロエエモジン、殺菌作用を持つアロエチン、善玉菌と悪玉菌のバランスを整え肌荒れや老化を防ぐ作用を持つアロイン、抗腫瘍性の働きを持つアロミチンやアロエウルシン。また、ビタミン類、カリウム、鉄分などのミネラル類なども含まれているのです!

 口が開かなくなる症状を引き起こす口腔粘膜下線維症(OSMF)患者にアロエベラを飲ませると、ほてりが減少し、口の開き方も改善した報告があります。また、動物実験にはなりますが、他の傷薬と比較し、アロエベラ塗布群のほうが治癒効果が高いこともわかっています。

 さらには、アロエから抽出したエキスを肌に塗ると、肌のコラーゲン量が増え、経口摂取しても効果が得られることが確認されたとの報告もあります。

 人の体は寝ている間に成長ホルモンが分泌され、皮膚や筋肉などの組織がつくられることがわかっているので、ぜひ夜の時間帯に食べるのがおすすめです。

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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