これで「物忘れ」は怖くない

定年後の人生を充実させるために毎日イベントを入れる

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 年齢とともに増える物忘れ。脳の機能低下を防ぐためには、いつまでも脳を活発に働かせ続けることだ。特に重要なのは、「定年後の生き方」だと米山医院・米山公啓院長は言う。

「仕事を引退して何もすることがなくなると、脳が急速に衰えてしまいます。何か新しいことを始めて、脳に刺激を与えなくてはいけません」

 物忘れが起こるのは、脳内の神経細胞にアミロイドベータという脳のゴミが付着して細胞にダメージを与えるから。神経細胞が活発に働いていれば、ゴミはくっつきにくくなる。仕事を辞めると、外出することも人と話すことも少なくなり、脳の活動量が激減する。意識的に脳を動かして脳内のゴミを排出することが重要なのだ。

「定年後は『地域活動に参加しよう』『田舎暮らしをしよう』などと言われますが、もともと好きでなければ、続くものではありません。定年を迎える前に、自分が好きなこと、夢中になれることを探しておくことをお勧めします」(米山院長)

 常に脳に刺激を与えるには、同じことをするだけでなく、新しいことにチャレンジすることも大切。好奇心を持って、次々とやりたいことを見つけられるのが理想だ。

 ただ、人によってはそれが難しい場合もあるだろう。眞田クリニック・眞田祥一院長は次の方法を提案する。

「人生を充実させるために、毎日イベントを入れるのです。月曜日はあの人に会う、火曜日は録画した番組を全部見る……というように、何でもいいから毎日予定を入れると、生き生きとした脳を保てます」

 一日の中でも「午前中はこれをして、午後はあれをする」と細分化するとなお良い。脳のために、第2の人生を充実させよう。 

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