あらゆるアプリが氾濫するスマホ時代に注目されているのがセラピーアプリです。
定期的にセラピストに会って心の悩みを打ち明けるセラピーは、日本人にとってはハリウッド映画の世界のものかもしれません。
しかしアメリカでは、夫婦間の問題解決から心の病まで幅広いフィールドで、さまざまな専門家がセラピーを行っています。
一方、民間のセラピストの料金は1回1万~2万5000円と高額。しかも保険でカバーされないことがほとんどであるため、多くの人には手が出ないのが現実です。
そこでセラピーアプリが脚光を浴びているのです。
最も知られているセラピーアプリのひとつ「トークスペース(Talkspace)」は、1カ月約3万8000円のメンバーフィを支払うと、トークスペースに所属する5000人の中から、自分のニーズに合ったセラピストを選ぶことができます。
そして、自分が好きな時間にショートメールで悩みや問題を送ると、セラピストからは1日2回、それに対する返事や解決方法が返信されてくる仕組みです。
従来の面接型のセラピーに比べ、時間や場所を選ばず、たとえ深夜でもセラピストに相談メールが送れるというフレキシブルさと料金の手頃さも人気で、2012年のローンチ以来、ユーザーの数は100万人に達しています。
「ベターヘルプ(BetterHelp)」も同様のアプリで、こちらは週1回のビデオによるセラピーセッションが含まれます。料金は週5000~8000円で、低所得者には料金が安くなるのも特色です。
こうしたアプリの人気が年々高まると同時に、運営するスタートアップ企業への投資額も、14年の約110億円から、18年には550億円に急増しました。
アメリカ人の5人に1人は、一生のうちに何らかの心の病を経験するといわれる今、こうしたアプリにますます熱い注目が集まりそうです。
ニューヨークからお届けします。