五十肩を徹底解剖する

「良い姿勢」を保つには、お尻、お腹、背中の筋力が必要

背筋強化のエクササイズ「座位グッドモーニング」/
背筋強化のエクササイズ「座位グッドモーニング」/(C)日刊ゲンダイ

 いきなりですが、実験です。

 まず背中を丸めて下を向いた姿勢をとります。猫背でスマホをいじる時の姿勢です。このままバンザイをしてみます。

 次に背筋を伸ばし胸と視線が正面を向いた、いわゆる「良い姿勢」をとります。このままバンザイをしてみます。

 さて、どちらが腕を上げやすかったでしょうか。「良い姿勢」の方が、スムーズに高くバンザイできたかと思います。

 両者の違いは、背中が丸まっているかどうかです。肩の動きには、姿勢が大きな影響を与えます。肩自体は正常でも、姿勢が悪いと肩の動きが悪くなるのです。

 しかし、普段から「姿勢が悪い」とわかっていても、「仕方ないから」と流しているのが実情でしょう。

「良い姿勢」を保つには、姿勢を支える臀部・腹部・背部の筋力が必要です。そこで今回は、丸まった背中を伸ばす働きのある背筋を強化するエクササイズ「座位グッドモーニング」を紹介します。方法は、次の通りです。

(1)椅子に浅く座り、姿勢を正す。

(2)下腹部をへこませ、視線と胸を正面に向けたまま、股関節を折り曲げお辞儀をする。肛門を後方に向けるイメージです。

(3)下腹部をへこませたまま肩甲骨の間を意識し、胸を正面に向けて5秒間キープ。

(4)背中の力を維持したまま、ゆっくりと元の体勢に戻る。

 5回を1セットとし、2~3セット行います。背筋がしっかりと働くことで、背筋を伸ばせるようになります。首と腰を反らさないようにし、痛みや違和感があれば無理しないよう注意してください。

 本稿は、肩こりラボ代表・丸山太地先生からご指導いただきました。

安井謙二

安井謙二

東京女子医大整形外科で年間3000人超の肩関節疾患の診療と、約1500件の肩関節手術を経験する。現在は山手クリニック(東京・下北沢)など、東京、埼玉、神奈川の複数の医療機関で肩診療を行う。

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