有酸素運動は20分以上続けなければ体脂肪が燃焼しないと聞きますが、20分以下の運動でも「ダイエット効果は望めます」と、国際医療福祉大学熱海病院の〆谷直人医師は言います。
「有酸素運動」とは、ウオーキングや軽いジョギングなど会話をしながらできる程度の運動のこと。呼吸が苦しくなるほど激しいジョギングや筋トレなどは「無酸素運動」と呼ばれています。
無酸素運動は、ほぼ糖質のみをエネルギー源とします。運動強度が高いため、手軽に取り出せる糖質はすぐに枯渇してしまい、長時間続けられません。
一方、有酸素運動は緩やかに糖質が消費され、20分後には脂質もエネルギー源として使われるので、長く続けることができます。このため、ダイエットには有酸素運動の方が有効だといわれます。
「この情報だけを見ると、有酸素運動を20分以上続けなければやせられないと思われるでしょう。しかし、糖質を消費するだけでも、脂肪が体内に蓄積するのを防げます」
体内に糖質が十分蓄えられている状態で食事をすると、食事に含まれる糖質はほとんど脂肪に変えられてしまいます。そこで、短時間でも運動をして糖質を減らしておけば、食事の糖質は脂肪としてため込まれにくくなるわけです。
また、有酸素運動は活性酸素の発生を抑える効果もあり、老化防止につながります。
「毎日少しずつでも運動し続けることが大切です。週1回、1時間ジョギングするより、毎日15分ジョギングする方が運動量が多く、消費カロリーも高くなります」
ほかの有酸素運動は、サイクリング、水泳、縄跳び、ボクササイズなど。ケガを予防するために、運動前はストレッチをするのがおすすめです。
これまでの健康常識は捨てていい