病気に負けない体づくりのためには、免疫力を高めることが大切です。けれど残念ながら、年を重ねるにつれて体力と同じように免疫力も低下していきます。免疫力は40代を迎えると20代の半分になり、70代は10%程度にまで下がるといわれているのです。
免疫力の“老化”は、とりわけ感染症のリスクを高めます。新型コロナウイルスが猛威を振るう中、免疫力を高める食養生も大切です。
中医学において、免疫力を高めるためには、生命活動を維持するエネルギー源である「気」を補うことが重要とされています。気は体中のいたるところを巡っているエネルギーです。体を温めたり、体に害を与えるものが入るのを防ぐなど、その働きは健康維持に重要。気が充実していれば「元気」で、そうでなければ「病気」になってしまうのです。気が不足すると、常にだるい、やる気が出ない、朝なかなか起きられない、集中力が続かないといった状態を引き起こします。そして免疫力が低下し、抵抗力がなくなってしまうのです。
加齢によって気は不足していきます。しっかりと食事で気を補い、全身に満ち足りている状態を目指しましょう。
気を補い、免疫力を高めるためにおすすめの食材は「うずらの卵」。中国では古来、鶏卵が「栄養の源」として重宝されていましたが、うずらの卵はより強力です。
全身の臓器に働きかけて、その機能を高める作用があり、滋養強壮に効果絶大な食材とされます。また、老化に関わりの深い臓器「腎」の働きも高めるため、若々しい体づくりにも役立ちます。さらに、筋肉や骨を強化したり、脳を滋養する効果もあり、小さくてもダイナマイト級のパワーを発揮します。アクティブシニアにはぜひ、鶏卵の代わりに普段の食事に積極的に取り入れることをおすすめします。
うずらの卵は、たまごかけごはんに使うと、鶏卵より濃厚でおいしく仕上がります。また、カップみそ汁・スープに割り入れると、ふたをして3分程度できれいに白身に火が通り、半熟の状態も楽しめます。
納豆やパックもずくに入れるのもおすすめ。1パックに対して鶏卵1個では量が多いですが、うずらの卵だとちょうどよい量なので便利です。
うずらの卵の免疫力アップ効果をさらに高めるには、同じく気を補う働きのあるブロッコリー、ナガイモ、豆類、キノコ類と組み合わせるとよいでしょう。
■うずら卵高齢薬膳レシピ
うずらの卵とブロッコリーのカレー風味サラダ
気を補い、滋養強壮に優れたうずらの卵とブロッコリーを組み合わせたレシピ。うずらの卵は水煮、ブロッコリーは冷凍品を使えば簡単に完成します。カレー風味のドレッシングで、ビールのおつまみにもぴったりのおいしさです。
【材料】2人分
●うずらの卵(水煮) 8個
●ブロッコリー(冷凍) 150グラム
●ドレッシング(オリーブ油・酢・レモン汁大さじ1、ニンニクのすりおろし1かけ分、カレー粉少々、塩・こしょう適量、砂糖ひとつまみ)
【作り方】
ブロッコリーは袋の表示に従い解凍してボウルに入れ、うずらの卵、ドレッシングを加えて混ぜ合わせる。
健康長寿に役立つ高齢薬膳