気象予報士の医師が教える“病気予報”

大雨後の海水浴は要注意 胃腸炎による死亡例も

 大気が不安定になりゲリラ豪雨などの大雨が降った後は、下水などの汚染水が海へと大量に流れ込むことがあります。気温や水温が比較的高いこの季節は、ジメジメした環境が細菌の増殖に好都合なので、細菌による感染症が増加します。とくに、汚染された水に触れた手を経由するなどして細菌が口から体内に侵入し、発症する「胃腸炎」に注意が必要です。

 2007年に全米3000カ所以上の海水浴場で水質調査が実施され、その結果、3割超の海水浴場が一時閉鎖されたことがあるそうです。原因は、大雨による下水の海への流入だといわれています。日本では毎年6~7月に環境省が海水浴場(開設前)の水質調査結果を公表し、安全だとされています。しかし、必ずしも大雨後に測定しているというわけではないようです。

 米国では、海水浴後の胃腸炎による死者の報告もあるそうです。日本でも、とくに大雨後の海水浴には水道水による手洗いを励行するなどして、感染予防に注意した方がよいでしょう。