当事者たちが明かす「医療のウラ側」

抗がん剤はコーラと飲むと吸収力が高まる?

 がん治療の知識が多少なりともある人なら、「タルセバ」(一般名、エルロチニブ)という抗がん剤の名前を聞いたことがあると思います。肺がんの8割を占める非小細胞肺がんの治療薬で、現在は膵がんにも使われます。

 タルセバは胃のpH(ペーハー)によってその効果が大きく変わるという特徴があります。胃のpHが高くなれば吸収率が低下し、pHが低くなると吸収率が高くなるのです。

 タルセバを服用する患者さんの多くは「プロトンポンプ阻害剤」と呼ばれる消化器薬を飲んでいます。抗がん剤の副作用である胸焼けを防止するためです。しかし、このプロトンポンプ阻害剤を服用すると、胃のpHが高くなるという問題があります。

 そのため、せっかくのタルセバの吸収が悪くなり、効き目が十分ではありませんでした。

 そこで、タルセバの吸収力を高めるものの登場が期待されてきました。いま、この難題を解決するものとして期待感が高まっているのが「コーラ」だといいます。

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