役に立つオモシロ医学論文

最も高血圧になりにくい食事パターンをAIで解析…日本の研究報告

単一の食材ではなく、食事パターンに着目

 食事と血圧の関連性についてはこれまでにも数多くの研究が報告されています。

 たとえば、乳製品や野菜、果物、魚などの摂取は血圧の低下と関連し、ファストフードや塩分の多いスナック菓子、肉類などの摂取は血圧の上昇と関連していることが知られています。

 また、血圧の値は、外食の頻度や食べる速度、味付けの好みなども影響することが知られていますが、日常的な食事習慣が血圧にどのような影響をもたらすのかについて一貫した結論が得られていませんでした。そのような中、食事パターンと血圧の関連性を検討した研究論文が、栄養科学の専門誌に2024年2月5日付で掲載されました。

 この研究では、仙台卸商センターの男性組合員447人が対象となりました。被験者に対してアンケートを行い、食品の摂取頻度、食事行動、調理方法に関するデータを収集しています。収集された食事に関するデータは、人工知能(AI)によってパターン化され、高血圧との関連性が2年間にわたって追跡調査されました。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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