役に立つオモシロ医学論文

離乳食を早めに与えると赤ちゃんの夜泣きが少なくなる?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 解析の結果、6カ月時点での睡眠時間は、標準導入グループに比べて、早期導入グループで一晩あたり16・6分、統計的にも有意に長いことが示されました。一晩あたりの覚醒頻度は、標準導入グループで2・01回だったのに対し、早期導入グループは1・74回でした。さらに母親の深刻な睡眠関連問題は早期導入グループに比べ、標準導入グループで1・8倍多いという結果でした。

 早期の離乳食開始の是非については、専門家の間でも意見は分かれており、「小児肥満のリスクにつながるのではないか」との指摘もあるようです。この研究結果は、先行研究の二次的な解析のため、現時点では仮説として捉えておく方が無難かもしれません。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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