病の克服は患者に聞け

新型コロナ<3>「六本木のクラブは…」保健所の質問に辟易

実業家の渡辺一誠さん(提供写真)

「このほか、テーブルに置いてあったメニューをみんなで触ったぐらいでした。そのいずれかで簡単に感染してしまったのかと思いました」

 その後に得た情報で、5人のうち、渡辺さんを除く1人はコロナに感染して入院。ほかの人たちも検査後、自宅待機になった。

 病室は隔離状態で、部屋から外には出られない。トイレやシャワーもあるが、問題は洗面用具類とバスタオルやタオルの枚数だった。

 洗濯の申し込みは回数が限られていて、全部出すと手元になくなる。

■高熱が続く

 独身の渡辺さんは、通販を利用し、パソコンで必要な身の回り品を注文した。食事制限はない。ほかの入院患者は、家族から差し入れもされていた。

 前日もそうであったように入院3日目(3月29日)の朝に体温を測ると、平熱の36・6度だった。昼すぎまでうつらうつら寝ていて、目を覚まして体温を測ると、39・1度に。

「昨晩、解熱剤を2度投薬しても体温が39・8度でした。熱が下がりません。体がガクガクと震え、頭も痛い。『もういい加減にしてくれ!』と、声を出してしまいましたね」

 過酷なこうした症状が、入院8日目まで続くことになる。

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