世界初の「歯磨き剤」は何が違う? 23年間の研究の末に開発した歯科医師に聞いた

歯周病の初期は自覚症状がない

 歯根周囲の炎症は進行度合いによって歯肉炎と歯周炎とに大別される。歯肉炎は炎症が歯肉に限局している段階で、歯周炎は炎症が歯槽骨まで及んで歯周ポケットをより深くし、歯を支える歯槽骨を破壊している段階をいう。

「問題は歯周病の初期の段階では自覚症状がなく、ほとんどの人が歯周病と気がつかないことです。虫歯のような痛みがないからです。歯肉の腫れや出血があっても一時的なことが多いのです。しかし、放置するとあっという間に炎症は歯根周囲に広がり、気がついたときには、歯が抜け落ちる寸前になってしまっているのです」

 進行した歯周病は外科的治療が必要となる。歯肉を切開して歯根や歯槽骨を見える状態にして、歯根表面を徹底的にきれいにしていく。

 フラップ手術がその代表だ。しかし、それとて歯の寿命を健常人と同じに維持することは難しい。

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