やけどの正しい治し方(1)「ラップ療法」で本当にしっかり治せるのか?

一般人では感染リスクがある(C)iStock

 やけどの治療法として、「ラップ療法」というものが存在することをご存じだろうか。やけどした箇所を食品用のラップで覆うことで、早く、しかも傷痕を残さずに治すことができるというものだ。ただ、ネット上では賛否両論、さまざまな意見がある。いったい、何が正しいのだろうか。

 やけどの専門家で、医療従事者向けにさまざまな講演を行う「身原皮ふ科・形成外科クリニック」(広島市)の身原京美院長はこう言う。

「ラップ療法が良い悪いではなく、『それで治るものは一定数あるけれど、やけどの深度やリスクを判定できない方が勝手な判断でやってしまうと危険な側面もある』という言い方が妥当でしょうか」

 やけどは深度によってⅠ度、Ⅱ度、Ⅲ度に分類され、それぞれ症状や治癒期間、傷痕が残るかどうかが異なる。最も浅い「Ⅰ度熱傷」は赤みが引いたら治り、傷痕は残らない。痛みを伴い、水ぶくれができたりするものは「Ⅱ度熱傷」だ。「Ⅲ度熱傷」はやけどが皮下組織にまで及んだ状態で、痛みの感覚はない。専門的な手術が必要になる。

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