梅毒急増の「なぜ」

梅毒急増のなぜ(6)20~30代女性の高校時代の性意識…「草食」世代ではなかったのか

写真はイメージ(C)iStock

 つまり、「パパ活」世代にあたる20代の、高校・大学生時代は「援助交際」が流行していた30代の高校・大学生時代に比べて、全体的に奥手だったことがわかる。

 では、なぜ、性的に奥手だったいまの20代女性に梅毒が広がっているのか? 社会人になって急に性に積極的になったのだろうか? むろん、その可能性もあるが、ここで注目したいのが「性交体験のある高校生・中学生の男女の比率」だ。じつは2005年を境に女子が男子を上回り、それ以降はその傾向が続いている。

 実際、「青少年の性行動全国調査報告」における高校生の性交体験率は、1999年(男子26.5%、女子23.7%)、2005年(男子26.6%、女子30.0%)、2011年(男子15.0%、女子23.6%)、2017年(男子13.6%、女子19.3%)となっている。

 同様に中学生の性交体験率を並べると、1999年(男子3.9%、女子3.0%)、2005年(男子3.6%、女子4.2%)、2011年(男子3.8%、女子4.8%)、2017年(男子3.7%、女子4.5%)で、2005年を境に女子が男子を上回っている。

 つまり、いまの20~30代の若い世代は全体的には奥手だったものの、一部に性交に積極的な層がいて、それが経験のない複数の異性と経験している可能性があるとの推測が成り立つのではないか。(おわり)

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