一生見える目をつくる

近視矯正のレーシック手術は老眼治療にも使える…2つの方法

手術によって老眼を治すことが当たり前に(C)日刊ゲンダイ

 視力矯正が専門の眼科医の間では「手術によって老眼を治す」ことが当たり前となってきていると、前回お話ししました。

 手術には2通りあり、「レーシック」の技術を使って老眼を治療するものと、遠近両用の人工水晶体である「多焦点眼内レンズ」を目の中に入れて老眼を矯正するという方法になります。

 レーシックは近視を矯正するための手術。おそらくそう認識している人がほとんどかと思います。が、実は老眼でもこの治療方法を用いることがあるのです。

 老眼治療としてのレーシックは「老眼矯正レーシック」と「モノビジョンレーシック」という2つの方法から始まりました。「老眼矯正レーシック」はレーザーのプログラムを遠近両用の角膜になるように設定するものです。わかりやすく言えば、遠近両用コンタクトレンズのような角膜を作るのです。当初は画期的かと思われましたが、手術の結果が思わしくなく、特に近くが見えない患者さんが多かったため、この老眼矯正レーシックは行わない方針にしました。おそらくはプログラムが繊細すぎて、生きている角膜ではそこまで細かい変化をつけられないためかと思います。それに対して「モノビジョンレーシック」はとても効果的であることがわかってきました。

1 / 3 ページ

荒井宏幸

荒井宏幸

クイーンズ・アイ・クリニック院長。医学博士・眼科専門医。医療法人社団ライト理事長。みなとみらいアイクリニック主任執刀医。防衛医科大学校非常勤講師。

関連記事