コロナワクチン12歳未満への接種をどう考える? 公衆衛生の専門医に聞く

米国では先駆けて5~11歳の子どもたちの接種をおこなった(11月、ニューヨーク)/(C)ロイター

 新型コロナワクチンの5歳から11歳までの接種が認められれば、2月にも接種がスタートするという。年末年始はこの問題で家族会議という家庭も多いのではないか? 

 しかし、いくら情報を集めて議論してもどちらも正解のように思える。「迷った時は原点に戻るべき。そうすればおのずと答えは出るのではないか」と言うのが、公衆衛生の専門家でもある岩室紳也医師だ。

「大事なことはワクチンの目的は何か? です。本来の目的は重症化を防ぐことで、それは究極的には死なないこと。しかし、今ワクチンを打っていない11歳以下の子供たちは、新型コロナでは死んでいません。少なくとも厚労省の発表では感染後死亡はゼロです。なのに、因果関係は不明とはいえ、体力のある大人が接種後に1300人以上も死んでいるワクチンを今すぐに打つ必要があるのでしょうか。私には理解できません」

 実際、厚労省の「データからわかる-新型コロナウイルス感染症情報-」によると、2020年9月以降、男女とも10代の重篤者報告数はわずかだ。にもかかわらずワクチン接種を推奨する目的は何か? 子供たちの感染後死亡ゼロを維持するためにリスクのハッキリしていないワクチンを打つ理由がわからない、と岩室医師は言う。

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