免疫療法は長期間にわたるので、皮下注射を何度も行うのは負担が大きい。そこで、舌下錠が登場した形だが、舌下錠は「アレルゲンはダニだけ」という人向け。複数のアレルゲンを持っていて、それらに対する免疫療法を受ける人は、皮下注射になる。
「複数のアレルゲンを持っている人が圧倒的に多いので、皮下注射が主流になると考えています」
ただし、安易に飛びつくのは危険だ。高い効果が期待できる分、アナフィラキシーが起こりやすい。一歩間違えれば、アナフィラキシーショックで死に至ることもある。
「アレルギーの治療は“攻めの治療法”です。どれくらいの抗原の量を使うかは患者さんによって違い、医師の経験が問われます。アナフィラキシーショックを恐れて投与する量が不十分だと、効果も低くなる。だからこそ、ギリギリのラインまで投与でき、もしもの時は救命もできる専門医のもとで治療を受けなくてはなりません」
免疫療法全般に言えることだが、治療期間は数年にわたり、その間は定期的に医療機関に通わなくてはならない。しかも、やってみなければ効くかどうかがわからない。画期的な治療法が登場したとはいえ、免疫療法は気合と根性が必要なことも頭に入れておこう。