真似したい伝承療法

長崎県の麦味噌

長崎県の麦味噌(C)日刊ゲンダイ

「長崎では、味噌といえば麦味噌。うま味やコクがあり、味噌汁はもちろん、我が家ではキュウリなどの野菜につけたりして、万能調味料として絶対に欠かせません」と話すのは、長崎市出身の会社員、森哲夫さん(52)。

「麦味噌は体にもよく、特に腸の調子が整ってくるように思えます。便秘で悩んでいる方にはおすすめですね」

 原料は、はだか麦と呼ばれている大麦の一種。栄養価に富み、食物繊維の含有量が高い。

 しかも、水溶性と不溶性の2種類の食物繊維をバランスよく含んでいる。ともに腸内の老廃物や毒素を吸着し、排出する作用があり、善玉菌を増やす働きもあるため、腸内環境の改善にも役立つ。

 また、水溶性食物繊維はコレステロール値や血糖値を下げる効果があるといわれ、生活習慣病対策にもなりそうだ。

 さらに、はだか麦にはカリウムやカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラル分が豊富。外食に偏った現代人の食生活はミネラル不足に陥りがちなので、麦味噌を積極的に取りたい。

 味噌汁にすれば、毎日飲んでも飽きないほど、おいしい。森さんによれば、味噌こしで残った麦かすは汁に入れず、捨てることがコツ。魚の臭みを取るので、味噌焼きにしてもいけるという。

 長崎など九州で圧倒的な人気を誇るが、全国区にしたいものだ。

宮岸洋明

1965年、石川県生まれ。出版社勤務後、95年、健康ライターとして独立。以来20年、健康雑誌などで取材・執筆活動を開始。本連載では、世界的な長寿国である日本の伝承料理がテーマ。「健康長寿の秘訣は“食”にあり」をキーワードに、古くから伝えられてきた料理や食材を実食し、その栄養価、食味や調理法を紹介。筆者自身も、約1年前から数々の伝承料理を食べ約20キロのダイエットに成功。メタボを脱出し、健康診断もオールA。