人間の大腸の中にはたくさんの細菌(ばいきん)がすんでいます。これを腸内細菌といいます。
赤ちゃんの時期にはビフィズス菌という乳酸菌の一種が主な腸内細菌です。しかし、大人になるに従って、「バクテロイデス」と呼ばれる、オリゴ糖など他の糖分を分解するような細菌が増え、ビフィズス菌は減っていきます。このため、乳酸菌は善玉菌で、バクテロイデスは日和見菌(害もなければ益もないという意味)と呼ばれ、乳酸菌をたくさん取って、善玉菌を増やすことが健康に良いと考えられてきました。
今でもそう思って、せっせとビフィズス菌を取っている方が多いかも知れませんが、その考えは大きく変わってきています。乳酸菌の一部には、血糖を上昇させたり、肥満になりやすくするような作用があり、毒にも薬にもならないと考えられてきたバクテロイデスに、そうした糖尿病や肥満を予防するような効果のあることが、最近の研究で明らかになってきたのです。
医者も知らない医学の新常識