医者も知らない医学の新常識

60歳を越える医師にかかると危険は本当か

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 皆さんは「若いお医者さん」にかかるのと、「年配のお医者さん」にかかるのと、どちらが安心でしょうか? 学校を卒業したてのような自分よりずっと若いお医者さんの診察は、ちょっと不安だと感じる方は多いと思います。

 その一方で医療行為には定年はないので、他の仕事ならとっくにリタイアしているような年齢でも診療や手術をしているお医者さんもたくさんいます。本当に大丈夫なのかと不安に思われる場合もあるでしょう。

 医者も人間ですから年を取ります。「年齢を重ねて経験を積む分、診断の力が的確になる」という利点はありますが、一方で体力や運動神経、瞬時の判断力などは年齢とともに低下しますから、それが悪く作用する側面も当然あると考えられます。

 最近話題になっているハーバード大学の研究では、病院の65歳以上の救急患者さんが、「40歳にならない若い主治医の担当」であった場合と比較して、「60歳以上の年齢の主治医が担当」すると、「1カ月以内に死亡する危険がより高い」というショッキングな結果になっていました。

 ただし、たくさん患者さんを普段診ているお医者さんでは、そうした年齢による違いは見られませんでした。つまり、単純に年齢が上だと問題ということではなく、そのお医者さんの経験や診療の内容によって、その違いは大きくも小さくもなるようです。

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。