和式生活が健康を作る

足腰の筋肉が鍛えられる「古武道」は転倒予防にも役立つ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「加齢による体の衰弱を抑えることは若さを保つことと同意。これはボケや認知症の予防にもつながります。正確なデータはありませんが、高齢者に多い肺炎などを抑える心肺機能の活性化にも結び付きます」

 腹の底から声を出して気合を入れる。同時に体を激しく動かしても、息切れすることなく、呼吸をするリズム感を失わないことも心肺を丈夫にするという。

 高齢化社会で、人身事故を起こす高齢者の交通事故が後を絶たない。

 加齢に並行して、「反射神経」が鈍くなり、目で物の動きを追う(視認)「動体視力」も落ちてくるからだ。

「高齢者はそのことに気が付かない。“俺はまだ大丈夫”だという過剰な自信です。しかし、古武道は、若者に劣らない反射神経と動体視力を持つことが可能なのです」

 そうはいっても、古武道修練者とはいえ、風邪もひくし、血圧高めの高齢者もいる。

「古武道は体を鍛え、同時に精神力も高まります。病気にかかれば病院の世話になります。でも、たとえ病気にかかっても落ち込むことなく冷静に、平常心を失わない精神力を体得することが武士時代から続く古武道の利点ともいえるでしょう」

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