役に立つオモシロ医学論文

新型コロナウイルスに対する心理的影響は性格による?

新型ころにな関する心理的な影響は人によりさまざま(米国立アレルギー感染症研究所提供)

 その結果、「外交的」「勤勉的」「開放的」「協調的」「神経症的」、いずれの性格においても予防行動の積極性の増加と関連していましたが、神経症的な性格では、ストレス、不安、抑うつレベルの増加と関連していました。他方で、協調的な性格では不安やストレスレベルの低下と関連していました。また、勤勉的な性格の人では抑うつレベル低下との関連を認めています。さらに、男性は女性に比べて、感染状況を過小評価しがちであることも示されました。

 感染拡大によって受ける心理的な影響は、人の性格によってさまざまであることが示されています。こうした個人差に配慮した感染対策やケアの実施で心理的な負担も軽減できるかもしれません。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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