「不登校」「ひきこもり」を考える

小中不登校30万人、ひきこもり146万人…ともに過去最多を更新中

(C)takasuu/iStock

 文部科学省によれば、現在、全国の小中学生の不登校は少子化にも関わらず増え続け、2022年には前年度からたった1年で2割増の約30万人へと過去最多が更新されています。また、2023年の内閣府の報告によれば、ひきこもりの数は現在約146万人でやはり過去最多が更新され、折からのコロナ禍で2割増が加速されたとも示されています。ひきこもりに至っては、内閣府の調査では若年層54万人よりも、40歳以上の中高年層の方が61万人と多いことも推計されています。

 不登校とは、「病気や経済的な理由などがなく、学校に行かなくなってから年間30日以上の欠席をしている状態(文部科学省)」とされています。また、ひきこもりは「社会的参加を回避し、6カ月以上おおむね家庭内にとどまり続けている状態(厚生労働省)」と定義されています。

 昔は不登校からひきこもりへという流れが注目されていましたが、もちろんそういう人もまだまだ多いのですが、近年の内閣府の調査によれば、中高年のひきこもりに関しては退職者や失業者が次の仕事に就けず、ひきこもってしまうことが多いとも報告されています。

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最上悠

最上悠

うつ、不安、依存症などに多くの臨床経験を持つ。英国NHS家族療法の日本初の公認指導者資格取得者で、PTSDから高血圧にまで実証される「感情日記」提唱者として知られる。著書に「8050親の『傾聴』が子供を救う」(マキノ出版)「日記を書くと血圧が下がる 体と心が健康になる『感情日記』のつけ方」(CCCメディアハウス)などがある。

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