役に立つオモシロ医学論文

小さいころの食習慣がその後の肥満リスクに影響する

写真はイメージ

 朝食を取らない食習慣は健康に良くないイメージがあると思います。実際、朝食を取らない人では、そうでない人に比べて心臓病による死亡リスクが高いという研究も報告されています。朝食を取らない人は肥満リスクの増加が知られており、それゆえ心臓病のリスクが高まるのかもしれません。

 しかし、未就学児童を対象とした研究は少なく、幼児期における朝食の摂取とその後の健康状態についてはあまりよく分かっていませんでした。そんな中、幼児期の朝食摂取と肥満との関連を調査した研究論文が、日本疫学会誌の電子版に7月11日付で掲載されました。

 この研究では、2001年に日本で出生した新生児のうち5万3575人が調査の対象となりました。2歳半における朝食の摂取状況が調査され、その後の過体重(肥満には該当しないものの、身長と比較して体重が多い状態)、もしくは肥満との関連性が検討されています。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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