役に立つオモシロ医学論文

小さいころの食習慣がその後の肥満リスクに影響する

写真はイメージ

 出生時の体重などで統計的に補正して、解析した結果、過体重もしくは肥満のリスクは、2歳半で朝食を取っていた小児と比較して、朝食を取っていない小児では、7歳時点において男児で21%、女児で24%、10歳時点において男児で22%、女児で19%、統計的にも有意に増加しました。ただし13歳の時点では、男児で38%の増加が認められた一方で、女児では明確な関連性は示されませんでした。

 朝食を取らないことが直接的に体重を増加させているというよりは、間食など不規則な食事による栄養バランスの偏りが肥満につながっているのかもしれません。特に男児では、その後の肥満リスクが一貫して増加しており、長期的な健康への悪影響が懸念されます。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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