役に立つオモシロ医学論文

新型コロナに一度感染した人の再感染率は?ランセットで報告

新型コロナウイルス感染者の治療を行う医療従事者(フランス・ヴァンヌの病院)/(C)ロイター

 細菌やウイルスなどの病原体に感染すると、その病原体に対する免疫を獲得し、再び同じ感染症にかかりにくくなります。これを獲得免疫と呼びますが、長きにわたり免疫効果が持続する感染症と、そうでない感染症があります。

 たとえば、おたふく風邪は一度感染すれば生涯にわたり免疫を獲得することができます。しかし、風邪の原因ウイルスやインフルエンザウイルスに感染して獲得された免疫は、その後の再感染を完全に予防するものではありません。新型コロナウイルスについても獲得免疫を得られるはずですが、その効果について詳しいことは分かっていませんでした。そんな中、新型コロナウイルスの再感染率を検討した研究論文が、世界的にも有名な医学誌、ランセットの電子版に3月17日付で掲載されました。

 デンマークで行われたこの研究は、新型コロナウイルスのPCR検査に関するデータベースに登録されている52万5339人が解析対象となりました。感染流行の第1波(2020年3~5月)と、第2波(2020年9~12月)における検査結果から、再感染率が検討されています。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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