コロナ禍でも注目 最新医療テクノロジー

世界が認めるロボット・セラピー「パロ」は30カ国で7000体以上を販売

アザラシの赤ちゃんをモデルにしたロボット「パロ」/(提供写真)

 海外でパロのセラピー(治療)目的の利用が普及するのは、医療体制の違いもあるが、ペット動物と触れ合う「アニマル・セラピー」の心理的効果や生理的効果などが広く知られ、よく理解されているからだ。

 しかし、動物と患者の触れ合いには、アレルギーや感染症、噛み付き・引っかきなどの事故の懸念があり、治療法として承認されていない。

 その代わりとなるのが、パロを用いた「ロボット・セラピー」というわけだ。

 パロは数多くのセンサーが内蔵されていて、実際のアザラシの赤ちゃんの反応を実現している。「パロはAI(人工知能)の音声認識機能によって話しかけられた方向を向いたり、言葉に反応したり、新たな名前を学習します。また、全身に配置された『ユビキタス面触覚センサー』によって、なでられると心地いいという価値観を持っており、ユーザーとの触れ合いによって、徐々にユーザーの好みに合った反応をするように『強化学習』していきます」

 パロは「ペット代替用」と「セラピー用」がある。セラピー用はパロを叩いたりしても、患者を興奮させる「怒る反応」などをしないように設定されているという。

 一般家庭向けのペット代替用のパロの価格は、1年間の保証で42万円(税込み)からになる。

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