役に立つオモシロ医学論文

うつ症状のある人はコロナワクチンのデマ情報を信用しやすい?

新型コロナウイルスのワクチン接種について抗議する人たち(C)ロイター

 この研究では、インターネット調査に参加した米国人1万5464人(平均47.9歳、男性36.4%)が対象となりました。参加者のうち、4164人(26.9%)が抑うつ症状を認め、2964人(19.2%)が、新型コロナウイルスワクチンに関連した偽情報を支持していました。

 解析の結果、ワクチンに関連した偽情報を支持する確率は、抑うつ症状のない人に比べて、抑うつ症状のある人で、2.15倍高いことが示されました。また、偽情報を支持していた人は、偽情報を支持していない人に比べて、ワクチンの接種をする確率が55%低下しました。

 論文著者らは「偽情報を減らすことに関心が向けられがちだが、同時に偽情報の需要を減らすこと、あるいは否定的な感情に対するアプローチを考案することが有用かもしれない」と結論しています。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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