過剰な“コロナ恐怖”が引き起こす医療トラブル 在宅の現場でも…

異常事態が常態化している(C)日刊ゲンダイ

「私たちのクリニックも例に漏れず、今年の5月までは『明らかなコロナ陽性患者については緊急往診をしない』というルールにしており、地域の介護職種からは当然のごとく大きな批判を受けました。それでも、そうせざるを得ない事情があったのです。コロナ禍でコロナ以外の重症者に対する入院病床がまったく確保できない中で、1000人以上の重症患者を在宅でフォローする当院は実質的な『1000床の重症病床』であり、コロナによる診療ストップとなると、当院の患者を受けてもらえる医療機関がどこにもなかったからです」

 むろん所属する医療従事者らが「コロナ感染を怖がるから」が理由ではない。これまでもインフルエンザが医療機関や介護施設に蔓延して、組織が機能不全になることもあった。しかし、感染して40度以上の発熱リスクがあったにせよ、過度に医療従事者や介護者らが恐れることはなかったという。

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