新たな軽症者向け「新型コロナ飲み薬」の承認が待たれる理由

コロナと共存していくために「飲み薬」の承認が待たれる(C)日刊ゲンダイ

 コロナ感染拡大初期から陽性患者の治療をし続けている大谷院長にとって、ゾコーバ承認見送りは非常に残念な結果だった。すでに軽症者も対象の経口薬が2種類あるのになぜか?

【臨床試験の対象者がワクチン未接種者】

「現在総人口の64%がワクチン3回接種済み(8月18日現在)で、重症化リスクのある高齢者などはすでに4回目のワクチン接種が進んでいます」

 しかし、承認済みの薬はどちらもワクチン未接種者が対象。しかも、圧倒的によく使われているラゲブリオは、重症化低下率が約30%だ。

「『(30%なら)接種済みなので薬はいい』と言う方が少なくないのです」

【腎機能の検査が必要】

 ラゲブリオは腎機能の検査は不要だが、重症化低下率は30%。もう一つのパキロビッドは重症化低下率90%。ワクチン接種済みの人も「パキロビッドなら」となることもあるが、腎機能データが必要だ。

2 / 5 ページ

関連記事