新たな軽症者向け「新型コロナ飲み薬」の承認が待たれる理由

コロナと共存していくために「飲み薬」の承認が待たれる(C)日刊ゲンダイ

「すでに飲んでる薬が併用禁忌または注意かの確認は臨床医なら難しくない。むしろ、すぐに結果が出ない腎機能低下確認の方がネックになる」

 今回、塩野義製薬のゾコーバが緊急承認見送りになったのは、「12症状の改善状況で有意差が出なかった」「催奇形性リスクや、多くの薬物相互作用がある」といった見解が示されたからだ。

「コロナの12症状はデルタ株流行時に設定されたもので消化器症状を含んでいます。現在流行のオミクロン株は消化器症状はほぼなく、有意差が出ないのは当然。一方、主の症状である呼吸器症状と発熱に関しては有意な改善を認めている。BA.5株で咳、咽頭痛、発熱、鼻汁・鼻閉、息切れに苦しんでいる患者さんに、すぐにでも処方したかったのですが……」

 催奇形性リスクはラゲブリオで、薬物相互作用はパキロビッドで、指摘されている。ゾコーバだけではない。

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