禁欲期間に関しては、「我慢して精子をためた方がいい」という印象がある。しかし、妊娠率で見ると間違いだ。
禁欲期間と精子の状態を調べた研究では、確かに禁欲期間が長いほど精液量、精子濃度、総精子数が増加。しかし、精子運動率と生存精子率は低下し、精子のDNA断片化は上昇した。
精子のDNA断片化の対策には、さらに「精巣内の酸化ストレスを中和する抗酸化剤の服用」「陰嚢冷却」がある。
「陰嚢の温度が上がるのは、精子に対してよくない。陰嚢温度が上昇する要因としては、発熱、長時間の座位、高温での入浴、体にフィットする下着、そして精索静脈瘤などがあります」
マサチューセッツ総合病院による不妊治療を行うカップルの男性パートナー656人の下着の調査では、ボクサータイプのようなゆるい下着に対し、ビキニやブリーフタイプといったタイトな下着の人は精子濃度や総精子数が低かった。