【男性不妊】世界中で精子の数が減少している…40年で60%減との報告も

不妊症の原因は男女どちらにもある(写真はイメージ)

 陰嚢温度上昇の要因に挙げた精索静脈瘤は、精巣から心臓へ戻る血液が逆流し、静脈が瘤のようになる病気だ。

 精巣内の温度が2~3度上がるほか、酸化ストレスが増し、精巣内の低酸素状態を引き起こす。結果、DNA断片化に至る。一般男性の10~20%にみられ、男性不妊の原因の30%を占める。触診と超音波検査でわかる。

「ドップラー超音波(音のドップラー効果を利用して血液の流れる方向や速さを調べる)で血液の逆流が起こっていないかを調べます」

 精索静脈瘤の治療では、抗酸化剤の服用または手術。根治を目指すなら手術だ。精巣静脈を結紮(縛って結ぶ)・切断で逆流を防止する。

 言うまでもなく、男性不妊のリスクを下げるには、「若さ」も重要。しかし過ぎ去った年月はどうしようもない。

 カップルで子供を望んでおり、なかなか子供ができないようなら、一日でも早く専門外来を受診すべき。精液の中に精子が存在しないような場合も、精巣内精子採取術(TESE)といった、精子を採取する治療法もある。

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