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「人工肩関節置換術」が年間わずか5000件しか行われていない理由

写真はイメージ

 肩の人工関節置換術の適応となるのは、肩の軟骨がすり減る変形性肩関節症、肩の腱が断裂し肩関節の骨の変形も進行する腱板断裂性変形性肩関節症、上腕骨の重度の骨折、骨折後の変形治癒(骨折治療後の経過が芳しくない状態)などが挙げられます。

 肩の症状を訴える中で変形性肩関節症を有する方は多く見積もって17%が変形性肩関節症といわれています(小林医師報告、群馬)。その中で年間5000人くらいしか肩の人工関節置換術を受けられていません。これはまだまだ人工肩関節置換術のメリットが周知されていないからかもしれません。

 人工肩関節置換術でどのような改善がみられるのか? デメリットとともに、次週以降お伝えします。

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森大祐

森大祐

整形外科全般診療に長年携わる。米国トーマスジェファーソン大学で人工肩関節の臨床研究を行い、2000例超の肩関節手術を経験。現在は京都下鴨病院で肩関節や肘関節、スポーツ障害患者に診療を行う。サイトで整形外科疾患の情報を発信。

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