東洋医学を正しく知って不調改善

東洋医学の不妊症に対するアプローチ…腎の働きをよくする

腎の働きをよくすることが重要

 腎を補うとともに、もう一つ大事なのは妊娠を妨げる因子を取り除くことだといえます。それは、ストレスなどにより気の流れが滞る「気滞」、血の流れが滞る「血瘀」、体の中に余分な水分や脂肪がたまってしまう「痰湿」です。

「気滞」には加味逍遙散、柴胡加竜骨牡蛎湯が効果を発揮し、ツボですと太衝、内関などがあります。

 また「血瘀」には桂枝茯苓丸、当帰と芍薬散、芎帰調血飲、そしてツボは三陰交、血海などがあります。

 そして「痰湿」には柴苓湯、防已黄耆湯、さらにツボでは豊隆、陰陵泉などとなります。

 西洋医学で行われる最新の不妊治療(生殖補助医療)に東洋医学療法を加えることで、妊娠し、無事に出産に至った例は数多くあり、また東洋医学療法のみでも体調を整え妊娠に至ったケースも一定数あると報告されています。

 子供が欲しいが、なかなか授からない……。そんな場合は、不妊治療の経験のある漢方医や鍼灸師に相談するのも手です。

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王瑞霞

王瑞霞

日本医学柔整鍼灸専門学校鍼灸学科専任教員。中国山東中医薬大学卒業。中国北京中医薬大学大学院修了。日本大学医学部医学博士。鍼灸師、登録販売士。

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