糖尿病ではプライベートゾーンにも合併症が…かゆみ、痛み、出血などトラブル続出

必ず専門医に診てもらう

 糖尿病による、こうしたプライベートゾーンの皮膚疾患の合併症が怖いのは、傷ついていたり防御機能が失われた状態の皮膚から、梅毒や淋病などの性感染症が感染する可能性があることだという。男性の場合、プライベートゾーンにおける糖尿病の合併症で多くの人がイメージするのはED(勃起障害)だろう。

「男性が正常な機能を発揮するには、海綿体に血液が流入するだけでなく、脳で感じた性的刺激を正しく伝え、海綿体に血液が流入する仕組みが正しく動かなければなりません。しかし、重度の糖尿病の男性患者は神経障害により、それができずにEDになってしまうのです」

 最近は糖尿病治療に「SGLT2阻害薬」という薬が処方されることが多い。尿中に排出した血液中の糖を再吸収させないことで血糖値を下げるタイプの2型糖尿病の治療薬だ。単独で使用すると低血糖リスクの危険性がないことや、体重を減少させる効果などが報告されている。しかし、この薬は尿路・性感染症を発症しやすいから注意が必要だ。

「尿中の糖が増えるため、尿中に細菌などが増殖する可能性が懸念されています。具体的には腎盂腎炎や膀胱炎、性感染症としては女性の外陰部膣カンジダ症などを発症しやすいことが報告されています」

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