月経のたびに息切れが…女性の気胸の正体は「子宮内膜症」かもしれない

思いもよらない部位に

 月経随伴性気胸を起こした患者のうち9割が右肺という報告がある。明らかな原因は分かっていないが、子宮内膜が直腸のある左側を避け、右側から腹水の流れに乗って右横隔膜から右肺にたどり着き気胸を起こすと考えられている。

「気胸患者の男女比は9:1で圧倒的に男性に多い点からも、女性が気胸を起こした場合には胸腔子宮内膜症を疑う必要があります。中には、繰り返される気胸で肺の病理組織検査を行っても子宮内膜症が見つからず、原因不明状態のケースも少なくありません。そういった場合、婦人科では試験的にホルモン療法を開始し気胸を起こさなくなれば、子宮内膜症と診断しています」

 ホルモン療法は低用量ピルやプロゲスチン製剤のほか、偽閉経の状態を誘発するGnRHアンタゴニストを服用して月経回数を減らし、気胸の根本にある子宮内膜症を発症させない体質をつくるのが一般的だ。

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