患者に聞け

鼠径ヘルニア手術(3)悩まされた排尿障害「トイレに駆け込んでも間に合わない」

手術後排尿障害に…(C)PIXTA

「ところが実際、私もお漏らしをしました。子供みたいにパンツの中に漏れてしまうのです。尿意を感じて、急いでトイレに駆け込みますが、どうしても遅れてしまう」

 じつは浅沼さんの排尿障害は今回が初めてではない。数年前、前立腺がんの手術を受けたときも、術後1カ月間ほど同じような排尿障害を経験していた。

 このときは、妻に頼んで紙おむつを購入して着用したという。

「今回も2週間ほど紙おむつのお世話になりました。とくにバスや電車に乗っているときなどは助かりましたね。唐突に尿意に襲われ、我慢ができなくなり、周囲の目を気にしながら用を足したこともありました」

 排尿障害は2週間ほど続いた。粗相を避けるために、尿意とは関係なく早めにトイレに入り、パンツを下ろして排尿を待つこともあったという。

 7月末から職場に復帰した浅沼さんは、排尿障害も消えた。趣味の水泳も再開し、日々、体重70キロ前後の高齢者を抱える通常職務の介護に汗を流している。(この項おわり)

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