「いま、歯周病とさまざまな疾患との関連が指摘されています。たとえば、歯周病の人は糖尿病に罹りやすく、逆に糖尿病の人も歯周病に罹りやすくなります。また、歯周病で出血を起こして血液に歯周病菌が入り込むことにより、血管の壁を肥厚化させ、血管の内部をもろくしてしまう。その結果、血管の狭窄や閉塞といった動脈硬化を起こし、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが高まります」
こう語るのはアイムスデンタルクリニックの今枝誠二院長である。妊娠している女性が歯周病に罹っている場合、早期低体重児出産のリスクが7倍も高まるという報告まであるそうだ。
一部では、歯周病と認知症との関係も疑われている。
“万病のもと”ともいえそうな歯周病を治療するのにあたって、きちっと歯磨きをしていることが前提になる。食事のたびに歯周病の原因となる歯垢(プラーク)を増やしていたら、治療の効果が期待できないからだ。